マイナー名作劇場その2「ツクヨミ~稀人の唄~」
ちょっと間が空いたが、2回目いくぜ。さすがに平日は無理。
「ツクヨミ~稀人の唄~」 PC AVG JANIS 2001/1/5
製作:ivory 原画:仁之丞 シナリオ:SHARED
相馬駿介は、幼馴染の香澄、元気娘ジュディらに囲まれて穏やかな学園生活を送っていた。しかし、新興宗教「天道宗」の学園買収に伴い、不穏な空気が学園を包み込む。そんな折、相馬駿介は、自らに秘められた古の能力「羅神眼」の覚醒により、夢の世界を彷徨うことになる。夢の世界を通じ、教団の目的や自分に流れる血の宿命を知った彼は、謎を究明するため夢と現の2つの世界を今日も彷徨うのであった…
「とらいあんぐるハート」シリーズでお馴染みのアイボリー製作、純愛萌え系の学園伝奇モノ。
CGはエロさはないが可愛らしく、とらハと同様の声優陣によりキャラの魅力は折り紙付き、ストーリーも無難で破綻無く、それを盛り上げる音楽も耳に残る。全体的なレベルは高いと思うのだが・・・どうにも地味でなんとはなしに埋もれてしまってた印象の本作。
でも個人的には妙に好きで、不意に思い出してプレイしたくなる。派手さはないが、じわじわとした魅力のある作品。仁之丞ファンなので、それでプラス補正かかってるのも否定はできんね。
まずは、ゲームシステムから紹介。あらすじの通り、「現実世界」と「夢の世界」の2つの視点から、攻略を進めます。
現実世界がメインだが 右上の霊気ゲージがあれば 夢の世界にも移動可能
夢の世界では、ヒロインの過去や別な一面が見えたり、はたまた夢でしか会えないヒロインもいたり、なかなかにドキドキ感があります。ザッピングとは微妙に違うかもしれんが、そんな感じ。こういうエッセンスこそがゲームを面白くする隠し味。選択式AVGならではの攻略の醍醐味が、そこにあります。
次にキャラ紹介。とりあえず公式ページを見てくれ。やっぱり全体的に地味なんだが・・・
目に止まるのは、ヒロインよりもコイツ。どう見ても悪役ですが主人公の実兄です。見た目に反して言動はちゃんと「兄貴」してて、締めるところは締めるキャラ。素顔もカッコいいぞ。麻生理事長も影のある悪役でグッド。
「男キャラが魅力的なエロゲにハズレはない」というのが俺の揺るぎない法則ですが、その条件はクリアしていると言える。
それはそれとして、ヒロインの話もしようかw 魅力的なのは蛍と朋かな。蛍はひたすら無垢で愛でたくなるキャラ。朋は「五月蝿いが、鬱陶しくはない」稀有な存在であり、個性と声優さんの演技力が光ります。でも、個人的に好きなのは碧だったりする。実におっとり系で癒し系。
終始こんな調子 ストーリーの本筋なので深い台詞も
ああっと、そして忘れちゃいけないのが俺内メインヒロイン。
「購買部の猫」。夢の世界限定だが、主人公とのラブラブっぶりは他ヒロインを凌駕します。現実世界の誰に対応するかは、プレイしてのお楽しみ。
そして肝心のストーリー。前半は各ヒロインとの徹底してまったりした日常、後半に核心である夢の世界・羅神眼・ツクヨミ伝承の謎に迫るという、ギャルゲー王道の展開です。
とはいえ、本筋の核心に迫るヒロインルートは実は少なかったりする(美夏→碧で十分)。ほとんどのキャラはほぼ脇道に逸れてしまうので、伝奇として読むにはどうしても深みが足りないのが残念なところ。伏線はちゃんと回収するし、破綻もないのだが、もう一歩足りない感があるね。まあ逆に、萌え目的ならノープロブレム。安心してくれ。
あと特筆すべきは、音楽。AVGにおける音楽の重要性は語るまでもありません。本作では、笛と太鼓を基調とした和風なメロディが、世界観と違わずマッチ。特に夢の世界で流れる、幻想性溢れるメインテーマは今でも耳に残っているほどです。もしかしたらそれが一番の魅力かも。
冒頭で記述した通り、全体的なレベルは高い。でも、もう一歩どこか足りず、惜しい、勿体ない。傑作ではなく、いわゆる良作・佳作である。が、だからこそ良いとも思えるのが本作の絶妙なところ。それは野に咲く花のように。
さすがに今では値崩れしてるので、特にとらハ好きは是非プレイしてみてはいかがでしょう。
思えばこの時代のエロゲが一番好きかもなあ、自分。当たり外れが今と比べようもなく多く、ゆえに選ぶ楽しさがあった時代。
シナリオライター繋がりで「夏少女」もプレイしたが、これもほのぼのしたストーリー・キャラと「プレイ期間が3年越しでヒロインの成長が垣間見える」ギミックとかが評価できる、平均レベルの高い作品。やっぱり地味だが。
次回は、いまや押しも押されぬ人気ラノベ作家・川上稔の都市シリーズ「奏(騒)楽都市OSAKA」の予定。ペース的に、コンシューマとエロゲ交互でいこうかと。




































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