2007/07/08

マイナー名作劇場その2「ツクヨミ~稀人の唄~」

ちょっと間が空いたが、2回目いくぜ。さすがに平日は無理。

        Main

「ツクヨミ~稀人の唄~」 PC AVG JANIS 2001/1/5
      製作:ivory 原画:仁之丞 シナリオ:SHARED

相馬駿介は、幼馴染の香澄、元気娘ジュディらに囲まれて穏やかな学園生活を送っていた。しかし、新興宗教「天道宗」の学園買収に伴い、不穏な空気が学園を包み込む。そんな折、相馬駿介は、自らに秘められた古の能力「羅神眼」の覚醒により、夢の世界を彷徨うことになる。夢の世界を通じ、教団の目的や自分に流れる血の宿命を知った彼は、謎を究明するため夢と現の2つの世界を今日も彷徨うのであった…

「とらいあんぐるハート」シリーズでお馴染みのアイボリー製作、純愛萌え系の学園伝奇モノ。

CGはエロさはないが可愛らしく、とらハと同様の声優陣によりキャラの魅力は折り紙付き、ストーリーも無難で破綻無く、それを盛り上げる音楽も耳に残る。全体的なレベルは高いと思うのだが・・・どうにも地味でなんとはなしに埋もれてしまってた印象の本作。

でも個人的には妙に好きで、不意に思い出してプレイしたくなる。派手さはないが、じわじわとした魅力のある作品。仁之丞ファンなので、それでプラス補正かかってるのも否定はできんね。

まずは、ゲームシステムから紹介。あらすじの通り、「現実世界」と「夢の世界」の2つの視点から、攻略を進めます。

Map01_lar_1 Sys05_lar Map02_lar

 現実世界がメインだが  右上の霊気ゲージがあれば  夢の世界にも移動可能

夢の世界では、ヒロインの過去や別な一面が見えたり、はたまた夢でしか会えないヒロインもいたり、なかなかにドキドキ感があります。ザッピングとは微妙に違うかもしれんが、そんな感じ。こういうエッセンスこそがゲームを面白くする隠し味。選択式AVGならではの攻略の醍醐味が、そこにあります。

次にキャラ紹介。とりあえず公式ページを見てくれ。やっぱり全体的に地味なんだが・・・

 Ws000002

目に止まるのは、ヒロインよりもコイツ。どう見ても悪役ですが主人公の実兄です。見た目に反して言動はちゃんと「兄貴」してて、締めるところは締めるキャラ。素顔もカッコいいぞ。麻生理事長も影のある悪役でグッド。

「男キャラが魅力的なエロゲにハズレはない」というのが俺の揺るぎない法則ですが、その条件はクリアしていると言える。

それはそれとして、ヒロインの話もしようかw 魅力的なのは蛍と朋かな。蛍はひたすら無垢で愛でたくなるキャラ。朋は「五月蝿いが、鬱陶しくはない」稀有な存在であり、個性と声優さんの演技力が光ります。でも、個人的に好きなのは碧だったりする。実におっとり系で癒し系。

Ws000003_1  Ws000077

  終始こんな調子     ストーリーの本筋なので深い台詞も

ああっと、そして忘れちゃいけないのが俺内メインヒロイン。

 Ws000030

「購買部の猫」。夢の世界限定だが、主人公とのラブラブっぶりは他ヒロインを凌駕します。現実世界の誰に対応するかは、プレイしてのお楽しみ。

そして肝心のストーリー。前半は各ヒロインとの徹底してまったりした日常、後半に核心である夢の世界・羅神眼・ツクヨミ伝承の謎に迫るという、ギャルゲー王道の展開です。

とはいえ、本筋の核心に迫るヒロインルートは実は少なかったりする(美夏→碧で十分)。ほとんどのキャラはほぼ脇道に逸れてしまうので、伝奇として読むにはどうしても深みが足りないのが残念なところ。伏線はちゃんと回収するし、破綻もないのだが、もう一歩足りない感があるね。まあ逆に、萌え目的ならノープロブレム。安心してくれ。

あと特筆すべきは、音楽。AVGにおける音楽の重要性は語るまでもありません。本作では、笛と太鼓を基調とした和風なメロディが、世界観と違わずマッチ。特に夢の世界で流れる、幻想性溢れるメインテーマは今でも耳に残っているほどです。もしかしたらそれが一番の魅力かも。

 

冒頭で記述した通り、全体的なレベルは高い。でも、もう一歩どこか足りず、惜しい、勿体ない。傑作ではなく、いわゆる良作・佳作である。が、だからこそ良いとも思えるのが本作の絶妙なところ。それは野に咲く花のように。

さすがに今では値崩れしてるので、特にとらハ好きは是非プレイしてみてはいかがでしょう。

 

思えばこの時代のエロゲが一番好きかもなあ、自分。当たり外れが今と比べようもなく多く、ゆえに選ぶ楽しさがあった時代。

シナリオライター繋がりで「夏少女」もプレイしたが、これもほのぼのしたストーリー・キャラと「プレイ期間が3年越しでヒロインの成長が垣間見える」ギミックとかが評価できる、平均レベルの高い作品。やっぱり地味だが。

 

次回は、いまや押しも押されぬ人気ラノベ作家・川上稔の都市シリーズ「奏(騒)楽都市OSAKA」の予定。ペース的に、コンシューマとエロゲ交互でいこうかと。

| | コメント (0)

2007/07/04

突発企画「マイナー名作劇場」その1

ゲーム業界は常に戦国乱世であり、超消費社会である。全ハードにおける年間のゲーム作品は数百に及び、名作が生まれては消え、駄作が埋もれては消えてゆく。

中身よりもネームバリュー・話題性が重要という側面は否めず、仮に中身が良くても話題に挙がらずワゴン行きや絶版となった、いわゆるマイナーゲームは数え切れず存在する。

また時の流れはあまりに早く残酷である。この次々世代機の時代にあって、もはやPS1・SS・Win98時代のPCゲーム等、過去ハードの作品は化石に成り下がる他ない。

しかし、本当にそれでいいのか?

今だからこそ、過去におけるマイナーゲームの中で、埋もれたままでは勿体ないと思われる名作を再発掘すべきである。誰もが本当は思っているだろう、「昔のゲームは良かったなあ」と。

そこで、独断と偏見によりマイナーゲームを紹介してみよう!という企画が、この「マイナー名作劇場」です。

 

さて栄えある第1回目は・・・まず大事なのはインパクト!第一印象!ということでコイツ。

         Pa77913001_1

「快速天使」 PS ACT テクノソレイユ 1998

とにかく快速!! その場のノリでハイテンションコミカルアクションゲーム!

古き良きPCエンジン時代を思い起こさせる、2D横スクロールアクション。ファミ通レビューで4・3・3・3の闇殿堂入り を果たした記録保持者の登場です。

まず、上のパッケージである。明らかに絵がヤバい。これを面白そうだと思って買う奴はいないでしょう。ネタになりそう、という別な意味の面白さで買う奴はいるだろうけど。俺もそうだったw

07070322261rz3 07070322351rz3 07070322351rz30

  まだ許容範囲?      こっちの台詞である   きゃああッ!はお前の顔だ

売れる要素がない、売れないゲームのお手本と言える。逆に言えば、このユーザーに媚びない姿勢こそが名作の証とも言えます。

そう、ゲームの中身自体は存外マトモなのです。

システムは前述の通り2D横スク型アクションで、要はソニックです。プレイヤー数ではなくライフゲージ制で、制限時間・連続HIT数・滞空時間(どれくらい長くジャンプ出来たか)などなど、地味にやり込み要素も多いです。

「快速」を謳うだけあり、ゲームテンポの速さがとにかく魅力。雑魚や障害物は基本的にダッシュとジャンプで無視できるため、スピード感があり、直感的な楽しさがあります。何も考えずにジャンプしてるだけで、とりあえずクリアできるしw

07070322541rz31   07070322551rz3

空の上までジャンプジャンプ  絶壁から落ちて滞空時間を稼げ!

ステージ構成も起伏に富み、ひたすら下に降りる・上に昇る・山のような起伏・スイッチトラップ満載などなど、ジャンプアクションのツボを押さえております。難度もかんたん☆・ふつう・むずかしいと選ぶことができ、なかなかのバランス調整です。

プレイヤーキャラは3人(クリア後、2人追加)。それぞれ特徴が異なるため、工夫のしがいがある。特に癖があって面白いのは、ボタン連打で術を使用する「なつみ」。

07070322431rz30 07070322431rz307070322431rz35 

R1(R2・L2)で構えて  ○ボタン連打で陣を刻み… 成功すれば術が炸裂!

全てオート連射の昨今、逆にアナログなボタン連打というのは、ゲームの根本的な面白さを思い出させてくれます。あと画像の通り、ドット絵は動きが細かく、職人芸が感じられますよ。

そして、やたらと濃い敵ボスキャラも魅力

07070322481rz3  07070323111rz3_1

 CV:ぶるあああああ!    CV:ダサイダー様

裸で若本ボイスな山賊(左)、三角帽子でダジャレしか喋らない剣士(右。隠しでプレイヤーとして使えるよ)、魔法使うメイド、素手で戦うシスター、人型ドラゴンもどき、チャイナ服剣士、レオタード格闘家、腕の伸びる変な生き物などなど、もの凄い語感の輩しか現れません。しかし慣れるとそれが良さに思えるから恐いところです。しかも無駄に声優が豪華というw

総評。世間一般ではこういうのをクソゲーと呼ぶのでしょうけど、決してその一言だけでは終わらない、終わっていない。噛めば噛むほど味の出るキャラとゲーム性に舌鼓を打てる作品です。

・・・まあ第一印象が最悪なだけに、相対的に贔屓目に「思っていたより面白い」と評価してしまうのかもしれませんがw それもマイナーゲーの醍醐味。

 

てな感じでー。まあマイナーゲーと定義はしましたが、「俺は好きなんだけど、世間的には売れてないor駄作・クソゲー扱い」っぽいのを紹介していくつもりです。

STG千夜一夜とはとてもいかないが、20くらいまではストックあるので頑張りたいなと。良ければお付き合いくださいませ。

つーか第1回は真っ先に「DEVICEREIGN」を挙げようと思ったんだけどね。さすがに以前からうち見てくれてた人にはくどいと思うので。知らない人は特設ページへどうぞご案内。

さて次回は、とらハシリーズで知られるJANISの作品「ツクヨミ」の予定。

| | コメント (2)